病院と救急隊とのやりとり
だいぶ前に救急隊について書きましたが、今回は病院側の話。
皆さんの病院では誰が救急隊からくる収容依頼の電話を受けていますか?
私のところは(2次医療機関)看護師が対応しています。
救急隊の情報を看護師から医師に伝えるわけですが非常に時間がかかります。
私は東京都はではありませんが、
「東京都の傷病者の搬送及び受け入れに関する実施基準」というものを紹介します。
救急隊は、搬送予定の医療機関の医師に対し、以下の傷病者情報等を円滑かつ確実に伝達します。
(1) 傷病者の年齢、性別
(2) 現場到着時の状況及び受傷機転
(3) 傷病者の主訴
(4) バイタルサイン等の観察結果(経過)
(5) 救急処置の内容
(6) 既往症、服薬内容等、参考になると思われる事項
(7) 医療機関到着までの所要時間
(8) その他必要と思われる事項
だいたいこんな流れで報告してくるわけですが、プレホスピタルという限られた資機材や人材の中で活動しているので足りない情報もあるのはしょうがないと個人的には思います。
ただ、ここでの情報収集方法は看護師によって大分違うんですよね。
すごい細かく受傷機転や状況を確認する人もいれば家族のことを詳細に尋ねる人も居ます。受け入れや準備・診療/看護に役立てばいいと思います。
でもそこまでの情報が本当に必要ですか?
更に厄介なのは、かかりつけには電話したのか?
救急輪番の当番病院には電話したのかなどを高圧的な態度で聞く人も居ます。
こうなる一つの要因は受け入れ可否の判断は医師にかかってます。
結局、医師も断る理由がほしいので確認してくるんで聞いてるんだと思います。
先ほど紹介した東京都の実施基準には時間についてはこう書いてありました。
救急隊からの受入要請があった医療機関は、重症以上と伝達された場合には可能な限り迅速に、また、中等症以下の場合であっても、3分以内を目標に受入可否を回答するよう努めるものとします。
ER型や3次では当たり前なのでしょうが、中等症以下であっても3分以内というのは結構衝撃的な数字でした。
そもそも救急車の応需率90%以上とかなら、どうせ受けるので看護師が電話対応でも良いと思いますが、うちのように60-70%程度の病院では時間がかかってしまいます。
それだけのマンパワーあるわけですから、患者さんや救急隊にとっても医師が電話に出てくないかなぁと思います。(それか応需率を改善するか)
もちろん時間だけの問題ではないんですが、患者、病院、救急隊の誰かが嫌な気持ちになったり不利益が生じないようにしたいと思うわけです。まずは自分の対応方法も含め、看護師の認識や態度から少しずつ改善できるようにします。
看護師のプレゼンスキルを向上するにはどうしたら良いか?
こんばんは。
先日、救急看護学会に参加してきました。
色んな発表を聞きましたが、せっかく良い内容を報告していても発表が今ひとつだと台無しになってしまいますね。
発表を聞いてて改善されるといいなぁと思ったポイントを綴っていきたいと思います。
1.スライドの問題
この問題は結構あります。
教科書の丸写しとか何でもかんでも詰め込むの止めましょう。
具体的には
スライドの情報量が多いのは伝わりません
簡潔に表現し体言止めを活用
すべてのスライドの上の方に【はじめに】【考察】とかタイトルいりますか?
フォントはメイリオ(おすすめあれば教えてください)
文字の大きさは会場にもよりますが、32pt以上を心がけましょう
背景と同系色の字は読みにくいので避ける
1スライドで話す内容は1-2分なんてのは「昔の話」
2.プレゼン(発表)の問題
原稿を棒読み
これはどこでも言われてることですが改善されてませんね。
自分でやった研究や報告です。ましてや自分で作ったスライドです。
原稿を読まないと発表できないのは準備が足りないか、スライドや発表したい内容(研究の内容)が自分でも分かってないからでしょう。
原稿がなくても発表できるスライドを作りましょう(キーワードだけを示すとか)
スライドをご参照くださいと言いつつ、すぐ次のスライドに移行する
いや、見る時間ないですから。
お作法になってるんでしょうか?
伝わらないスライドを提示したりプレゼンに織り交ぜるのは良くないですね。
その中に伝えたい事ありますか?
なんとなく思いつくまま書いてみましたが、大勢の前で話すのは緊張しますよね。
私はインストラクター活動するようになってから、人前で話す機会が増えました。
1対1や1対数人だったり、50名ぐらいの前で話すこともあります。
すごい緊張しますし、無言の時間や間が怖いので「えっー」とか「まぁ」とかの何度も言ってしまうので直したいなあと思ってます。(でも、惹きつけるには間も大事!)
やっていて思うのは、練習が大切。
あとは慣れでしょうか。
そして、毎回こうしてみよう! これを伝えたい!
ということを考え、勇気を持って挑戦することだと思います。
原稿読むのが自分のスタイルとして定着すると確実に評価が下がります。
特に認定看護師や専門看護師の方が原稿棒読みだとがっかりします。
(認定や専門の方や名前が売れてる方は聴衆の期待値が高いですからね。)
慣れないうちは原稿を読んだとしても、次回の発表のときは原稿をキーワードだけにするとか、たまには顔を上げるとかしましょう。
また、スライドを従来のスタイルから少し変えるだけでプレゼンしやすくなるはずです。
「私はどうせ発表しないし」って人!!!
病棟での勉強会や各勤務体での申し送りでも言えることです。
伝えるにはどうしたら良いか考えてみてください。
最後に、プレゼンスキルの向上の為に参考になるものを紹介します。
まずは書籍
あなたのプレゼン誰も聞いてませんよ!―シンプルに伝える魔法のテクニック
- 作者: 渡部欣忍
- 出版社/メーカー: 南江堂
- 発売日: 2014/04/01
- メディア: 単行本
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テーマからして興味をそそられますね。
スライドの具体的な作成方法、改善方法からなんと研究方法や発表についてまで載ってます。
ぜひ、読んでいただきたい一つです。
残りはスライドとかです。結構見るだけでも参考になりますよ。
なんとなく看護業界(指導者?)は新しいものを嫌うというか、これまでのお作法に縛られてる印象を受けますが、伝わらなければ意味ないですからね。
プレゼンスキルアップを考えるときに、発表スタイル(話し方、立ち振舞いなど)をすぐに変えるのは難しいかもしれませんが、スライドならすぐ変えられます。
是非参考にしてみてください。
(youtubeでプレゼンが上手い人の動画を見るのもおすすめですよ)
AMLSコースを受講しました
だいぶ更新をサボってしまいました。
先月AMLSを受講してきました。
以下コースの紹介の抜粋です。
AMLSコースは内因性障害のある患者の評価を順々に進めていき、患者の緊急度や病態を判断し、可能な限り状態の安定を図りながら、適切な施設へ収容する事を目的にしています。さらに成人学習の手法で、患者をいかに適切に評価し、いかに適切に管理するかを学べます。
※日本語版のテキストが販売されました。
呼吸やショック・中毒などの8ケースにわかれて、毎回座学→シミュレーションで展開していきます。シミュレーションでは、模擬患者もいるので実践に近い形で学べると思います。
私自身、臨床推論や判断→介入→評価の一連の流れをシミュレーションしていくことで、思考過程が整理されて、とても勉強になりました。
しかし、受講生、インストラクターともに非常に幅広い医学的な知識が要求されます。
また、BLS、ACLSとかのように技術の反復練習でどうにかならない部分もあるので、
インストラクション能力によって受講生の学習の促進具合が左右される部分が多い気がします。
インストラクターによっては、さらっと終わってしまったり、プレゼンがたどたどしかったりしますが、上手いインストラクターは一歩進んで根拠や印象に残りやすい関わりをしてくれます。(これはどのコースでも一緒かもしれません)
モヤっとした感想ですが、あのブースのインストラクターが良かったなって思ってました。
看護師にとってこのコースで学ぶことは必要か?と言われれば、コースの背景を踏まえても微妙ですが無駄にはなりません。
院内トリアージをやっている人や臨床推論を深めたい人には良いんじゃないでしょうか。
コースのシミュレーション方法は救急看護学会が開催しているトリアージ研修会と似てます。
一方、研修医や救急隊の方には、是非受講してほしいかも知れません。
2日間で幅広い病態を学べるので興味ある方は是非!!
下手な講義の研修会行くよりおすすめですよ。