Emergency Nursing(エマージェンシーナーシング)

救急外来で看護師をしています。 AHA-BLS/ACLSインストラクターとして活動中。得意分野は蘇生や急変対応の教育です。

看護師におすすめのアプリやネットサービス

臨床や基礎教育で働く看護師の皆さんや学生向けに自分が使っててオススメなサービスやアプリを紹介しようかなと思います。 

今回紹介しているものに、一切医療系アプリはありませんのでご了承ください(笑)

  

1.勉強ノートは全部電子化する

勉強といえばノートを綺麗に作る人が多い気がしますが、私は基本面倒なので作りません。どうしても作る時に役立つのが電子化です。

ツールとしてはOnenoteEvernoteなどありますが、私はOnenoteを使ってました。他の人とノートを共有したり、PDFやwebページを貼り付けたりできます。

あとApplePencilがあれば手書きもOKですね。

電子化しておけば、テストの時に重要なのや曖昧な部分をコピペして一箇所にまとめて暗記したりもできるのでオススメです。もちろん活用すれば実習や臨床でも使えると思います。

f:id:EmergencyNursing:20190322190003j:plain

products.office.com

evernote.com

2.資料は全部電子化してみる「scannable」

授業や調べた資料などは膨大な量になりがちなので、電子化してました。

おすすめは「scannable」

これカメラにかざすだけで紙を認識して自動で撮影してくれます。

次々写真を自動に撮ってくれるんで枚数が多くても結構便利。

Evernoteと連携すると勝手にPDFにして送ってくれるのも良いですね。

Evernote Scannable

Evernote Scannable

3.ファイルや課題はクラウドサービスを活用

これはもう言うまでもないですね。

OneDrive、DropBoxなどあります。

自分の作成したデータだけでなく、誰かと資料の共有したり、共同作業するには便利。

www.microsoft.com

www.dropbox.com 

4.チームやグループにおすすめのコミュニケーションツール「Slack」

コミュニケーションツールですね。

でも看護の世界ではまだ有名じゃないかも?

簡単にいえばLINEの進化版(ビジネス版?)みたいな。

複数人との会話で、過去のメッセージも遡れますし、修正から削除もできるのは便利。

PDFやOfficeファイルも共有できるのは便利です。

グループワークや研究チームなど様々な部分で活用できると思います。

slack.com

 

5.オンライン会議やGWなら「Zoom」

オンライン会議できます。

ディスカッションからホワイトボード機能や議事録も取れたり、いろいろな画面を共有できるのは魅力的です。

わざわざ学校行ってグループワークやディスカッションとかいらない時代ですね。

それでも学校や病院でやるのが看護師なのかもしれませんが…。

今どき休みの日に会議や勉強会に出勤している病院なんてないと思いますが、そういうのもZoom使って欲しいよね?

Zoomミーティング - Zoom

 

 

看護師の業務改善part1「勤務前の準備」について

業務改善シリーズ第1段は

「勤務前の準備について」

勤務前によくある情報収集や物品点検などは、結論から言えば明らかに前残業に当たります。

労働に関するよくあるご質問 | 日本看護協会

f:id:EmergencyNursing:20190211124200p:plain

 

そもそもこの悪習は看護学生の時代から始まります。

申し送りが大体8:30から始まりますので、ここで行動計画を発表したりします。

ですので、8時ぐらいには病棟について、受け持ち患者さんの情報収集を開始します。

申し送り自体、必要なのかと言う問題もありますが、学生の頃から申し送り前の情報集が常識(必要)ということを植え付けられてるわけですね。

 

例えば、情報収集だけでなく、物品点検や環境整備を勤務前にやっている病院も多いかと思います。これも当然、前残業です。

 

ということで、今年度はこの辺の業務改善を実施しました。

  • 始業前にやってた物品点検は終業時のみ
  • 「自分の勤務前に環境を整えたい」なんて意見もありましたので、環境整備の時間を設けました。

本題の申し送りや情報収集に関しては提案しましたが、スタッフから思いのほか慎重な意見があるので先送りしています。

 

業務改善をしていると大体こんな感じです。

賛成してくれる人、反対の人、あまり関わりたくない人。

事なかれ主義が多い業界ですから仕方ありません。

 

そして、反対の中には変化を恐れこれまでの常識から脱却できない層もいます。

以前話してた時は賛成や賛同してたはずなのに、いざ始まると躊躇してしまうんですね。

これは面白いなと思いました。

これまでの経験だったり常識を破れないんです。これはもちろん私側の視点ですので、いろいろな理由で破りたくないということになります。ただ、こうした労働環境の悪循環は管理や組織が作ってるというより、スタッフ自身で首を絞めている印象を受けます。

 

業務上、必要なことは全て対価が発生します。

「仕事が始まる前に準備するのは当たり前だと思う」

この意見もよく聞きます。

でもでもでも、私は早く来る必要があるなら始業前でもお金を貰いたいです。

そのお金をあなたがだしてくれますか?

出せないなら業務時間内にできる方法を考えましょう。

その上で、来たい人だけ早く来ればいいわけですが、一緒に働くスタッフが気を使って早く来てしまうかもしれません。

でもポリシーですから、無理やり変えてもらうつもりもありません。

対価をくれるか、勤務開始前に準備しなくていい状況を作ってください。

 

これは私の方がわがままですか?

 

ということで、皆さんの病院では勤務前の準備どうしてますか?

看護協会もいろいろ取り組んでいます。

職場環境は与えられるものだけでなく、自分たちで作るものです。

これまでの常識に捉われず、働きやすい環境を作りましょう。

 

www.nurse.or.jp

DNAR指示のあり方とは?

DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)に対する勧告

 ここ数十年で厚生労働省や複数の学会から終末期医療に関するガイドラインが公表され、終末期医療に対する医療者の理解は深まりつつあります。しかし、DNAR指示に対する誤解をしている医療者がいるとして、日本集中治療医学会はウェブサイト上で『DNAR指示のあり方についての勧告 (2016/12/20)』を公表しました。看護師としてDNARに関する正しい知識を身につけることは重要ですので紹介します。

DNAR指示のあり方とは?

 DNARは本来、がんの末期などCPRの適応がない患者が尊厳を保ちながら死にゆく権利を守るために心停止時にCPRを行わないようにするための指示とされています。しかし、終末 期以外の患者に適応されることや、CPR以外の治療まで差し控えてしまうことが問題となっています

 今回の勧告では『DNAR指示は心停止時のみに有効であり、CPR以外の酸素投与や気管挿管、人工呼吸器、補助循環装置、血液浄化法、昇圧薬、抗菌薬、輸液、栄養、鎮痛・鎮静、ICU入室など、通常の医療・看護行為の不開始や差し控え、中止を自動的に行ってはならない』としました。例えば、がんで通院中、DNAR指示のある患者さんが数日前まで元気だったけど感染症から敗血症性ショックで入院した場合、「この患者さんDNARにだから」と自動的に治療や看護を中止することは、本来の考え方から大きくかけ離れているということになります。 

 

看護師としてどうするか?

 看護師として、DNARに関する正しい知識を身につけることが重要です。そうした上で、患者本人の意思決定に繋がるよう関わることや他職種との連携が図れるよう調整していくことが必要となります。また、看護師だけではなく、施設内で共通認識できるようプロトコールやマニュアルを整備していくことも重要ではないでしょ うか。

今回の勧告は集中治療医学会のウェブサイトから誰でも閲覧できます。詳細を知りたい方はぜひご覧ください。