看護師のプレゼンスキルを向上するにはどうしたら良いか?
こんばんは。
先日、救急看護学会に参加してきました。
色んな発表を聞きましたが、せっかく良い内容を報告していても発表が今ひとつだと台無しになってしまいますね。
発表を聞いてて改善されるといいなぁと思ったポイントを綴っていきたいと思います。
1.スライドの問題
この問題は結構あります。
教科書の丸写しとか何でもかんでも詰め込むの止めましょう。
具体的には
スライドの情報量が多いのは伝わりません
簡潔に表現し体言止めを活用
すべてのスライドの上の方に【はじめに】【考察】とかタイトルいりますか?
フォントはメイリオ(おすすめあれば教えてください)
文字の大きさは会場にもよりますが、32pt以上を心がけましょう
背景と同系色の字は読みにくいので避ける
1スライドで話す内容は1-2分なんてのは「昔の話」
2.プレゼン(発表)の問題
原稿を棒読み
これはどこでも言われてることですが改善されてませんね。
自分でやった研究や報告です。ましてや自分で作ったスライドです。
原稿を読まないと発表できないのは準備が足りないか、スライドや発表したい内容(研究の内容)が自分でも分かってないからでしょう。
原稿がなくても発表できるスライドを作りましょう(キーワードだけを示すとか)
スライドをご参照くださいと言いつつ、すぐ次のスライドに移行する
いや、見る時間ないですから。
お作法になってるんでしょうか?
伝わらないスライドを提示したりプレゼンに織り交ぜるのは良くないですね。
その中に伝えたい事ありますか?
なんとなく思いつくまま書いてみましたが、大勢の前で話すのは緊張しますよね。
私はインストラクター活動するようになってから、人前で話す機会が増えました。
1対1や1対数人だったり、50名ぐらいの前で話すこともあります。
すごい緊張しますし、無言の時間や間が怖いので「えっー」とか「まぁ」とかの何度も言ってしまうので直したいなあと思ってます。(でも、惹きつけるには間も大事!)
やっていて思うのは、練習が大切。
あとは慣れでしょうか。
そして、毎回こうしてみよう! これを伝えたい!
ということを考え、勇気を持って挑戦することだと思います。
原稿読むのが自分のスタイルとして定着すると確実に評価が下がります。
特に認定看護師や専門看護師の方が原稿棒読みだとがっかりします。
(認定や専門の方や名前が売れてる方は聴衆の期待値が高いですからね。)
慣れないうちは原稿を読んだとしても、次回の発表のときは原稿をキーワードだけにするとか、たまには顔を上げるとかしましょう。
また、スライドを従来のスタイルから少し変えるだけでプレゼンしやすくなるはずです。
「私はどうせ発表しないし」って人!!!
病棟での勉強会や各勤務体での申し送りでも言えることです。
伝えるにはどうしたら良いか考えてみてください。
最後に、プレゼンスキルの向上の為に参考になるものを紹介します。
まずは書籍
あなたのプレゼン誰も聞いてませんよ!―シンプルに伝える魔法のテクニック
- 作者: 渡部欣忍
- 出版社/メーカー: 南江堂
- 発売日: 2014/04/01
- メディア: 単行本
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テーマからして興味をそそられますね。
スライドの具体的な作成方法、改善方法からなんと研究方法や発表についてまで載ってます。
ぜひ、読んでいただきたい一つです。
残りはスライドとかです。結構見るだけでも参考になりますよ。
なんとなく看護業界(指導者?)は新しいものを嫌うというか、これまでのお作法に縛られてる印象を受けますが、伝わらなければ意味ないですからね。
プレゼンスキルアップを考えるときに、発表スタイル(話し方、立ち振舞いなど)をすぐに変えるのは難しいかもしれませんが、スライドならすぐ変えられます。
是非参考にしてみてください。
(youtubeでプレゼンが上手い人の動画を見るのもおすすめですよ)
AMLSコースを受講しました
だいぶ更新をサボってしまいました。
先月AMLSを受講してきました。
以下コースの紹介の抜粋です。
AMLSコースは内因性障害のある患者の評価を順々に進めていき、患者の緊急度や病態を判断し、可能な限り状態の安定を図りながら、適切な施設へ収容する事を目的にしています。さらに成人学習の手法で、患者をいかに適切に評価し、いかに適切に管理するかを学べます。
※日本語版のテキストが販売されました。
呼吸やショック・中毒などの8ケースにわかれて、毎回座学→シミュレーションで展開していきます。シミュレーションでは、模擬患者もいるので実践に近い形で学べると思います。
私自身、臨床推論や判断→介入→評価の一連の流れをシミュレーションしていくことで、思考過程が整理されて、とても勉強になりました。
しかし、受講生、インストラクターともに非常に幅広い医学的な知識が要求されます。
また、BLS、ACLSとかのように技術の反復練習でどうにかならない部分もあるので、
インストラクション能力によって受講生の学習の促進具合が左右される部分が多い気がします。
インストラクターによっては、さらっと終わってしまったり、プレゼンがたどたどしかったりしますが、上手いインストラクターは一歩進んで根拠や印象に残りやすい関わりをしてくれます。(これはどのコースでも一緒かもしれません)
モヤっとした感想ですが、あのブースのインストラクターが良かったなって思ってました。
看護師にとってこのコースで学ぶことは必要か?と言われれば、コースの背景を踏まえても微妙ですが無駄にはなりません。
院内トリアージをやっている人や臨床推論を深めたい人には良いんじゃないでしょうか。
コースのシミュレーション方法は救急看護学会が開催しているトリアージ研修会と似てます。
一方、研修医や救急隊の方には、是非受講してほしいかも知れません。
2日間で幅広い病態を学べるので興味ある方は是非!!
下手な講義の研修会行くよりおすすめですよ。
ACLSEPコースを受けました
ACLS-EPコースを受講してきました。
ACLS-EPコースとは、ACLSコース修了者を対象に、心血管系、中毒、呼吸と代謝、ROSC後の4つのテーマに対して、症例ディスカッションを行うコースです。
テキストが高いんですけど・・・。
受講した感想は、「ACLSプロバイダー資格の更新には持ってこい」かな。
- 作者: American Heart Association,日本ACLS協会,日本循環器学会,バイオメディスインターナショナル
- 出版社/メーカー: シナジー
- 発売日: 2014/02/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
まず、EPコースを始める前に、ACLSの筆記試験、BLS、ACLSのテストがあります。
ここでACLSの復習ができる点、その後のEPコースでACLSのお作法以外のことを学べる点が素晴らしいです。
しかし、私にとっては、(前提条件として必要なのは承知で)前述した4つのテーマを学びたかったので、BLSや筆記試験、ACLSなどは不要だなぁと思いました。
しかし、このへんは2年毎の更新が義務付けられているアメリカでの背景によるものでしょう。
日本においては、ACLSのプロバイダー資格を失効するぐらいなら受講してみましょう。
さて、実際の内容についてです。
更新目的やACLSをより深く学習したいなら「あり」でしょう。
看護師として急変対応に強くなりたい、心停止前の対応を学びたいという受講目的ならPEARSをおすすめします。
理由としては、ACLS-EPコースにはACLSEPサーベイという体系的アプローチの方法があります。
A気道
B呼吸
C循環
D鑑別診断
ABCを評価し鑑別診断をH&Tで考えましょう、という具合で進んでいきますがABCはさらっとです。
院内のALSでリーダーをやらなければいけないDrにとってはH&Tの視点や治療を学べるのは良いのかも知れませんが、看護師として臨床で活かしたいという目的ならばアプローチ方法はPEARSです。
個人的見解ですが、看護師の世界では、残念ながらABCの観察・評価や安定化、再評価などの過程は一部の看護師を除いて浸透しているとは思えません。
ACLS-EPコースはABCの評価は出来ることが前提で進んでいきますので、それぞれのテーマに応じた対応方法をさくさくと学んでいくことになります。
その点、PEARSはABCDEアプローチを徹底して行なっていくので、思考過程を学習するには持ってこいです。
さて、EPコースに話を戻します。
EPコース良い所の一つはテキストが素晴らしいところでしょうか。
それぞれのテーマの事柄、エビデンスが非常に細かく書かれており、JRCの蘇生ガイドラインを読んでいるオタクな私としては非常に興味があります。
ただ、400ページ以上あるので、素晴らしいと言いつつ、全部読んでません…。
テキストを読み、コースを受講して、更にテキストを読み解き、その知識を院内に還元する、そしてテキストを・・・。
この繰り返しで学習は深まりそうです。
最後に、EPコースを受講しても、正直世界は変わりません。
しかし、テキストを読み解いていく過程や研修医、病棟教育などに活かしていく過程で、世界は変わるのかなぁと思います。
どんなコースにも共通して言えるのかもしれませんが、各々の動機に応じた、そんな最初の一歩の足がかりになるんだと思います。
まぁ、要は自分次第!(ちょっと雑にまとめてしまいました。)